新茶の季節です!


こんにちは!日本茶サイト≪en-cha≫ のオーナーでお茶オタクの真弓です。

今年も5月1日に八十八夜、5月5日に立夏が過ぎ、
新茶の季節となりました。


4月には九州の方の早生品種のお茶はすでにもうドイツへ輸出されているようですね。


新茶の季節到来です!

静岡県清水の杉山貢大農園さんより


新茶といえば一つのブランドとして高い価値があり、
ワインのボジョレ・ヌーボーや新米等と同じように毎年もてはやされる存在です。


実質摘まれる葉は一番茶と同じものですが、
その後加工してすぐに出荷され売られるのが新茶、
出荷されず一定の場所で寝かされるお茶が一番茶として売られます。

新茶はそのフレッシュな若々しい香りを楽しむのが特徴で、
コクや深みのあるお茶とはまた違った価値があります。



さて、この機会に摘採時期の違いについて書いてみようと思います。


en-chaが扱っているお茶ではほとんどが一番茶となっていますが、
その利点として

・新芽を使っているので葉が柔らかい為、味が繊細で甘い。さわやかな香りが特徴。
・暑くなる前の季節に摘採するので農薬散布が少ない。(オーガニックは関係なし)
・前年からの栄養が蓄えられている為、旨味成分であるテアニンが2番茶の3倍含まれる。

ただ、一番美味しいところを摘み取るわけで摘採の量も少ない為、値段も一番高いです。

対して二番茶、

・一番茶を摘み取った後、暑くなってから大きくなった葉なので硬く、味も雑味が増える
・しっかり太陽に当たっている為カテキン・カフェイン量が豊富。
・暑くなり虫がつきやすくなる為農薬の量も多くなる。

そして三番茶や秋冬番茶は、

・カテキン以外のお茶本来の味成分はあまり残っておらず、カフェイン低め。
・残ったお茶の葉を摘採する為値段が低い。
・血糖降下作用が期待されるポリサッカライドが含まれている。
・二番茶と同じく季節柄農薬の散布が必要になる。


と、以上のような特徴があります。


ただ、カフェインが苦手な方や避けたい方には
むしろいわゆる番茶の方がお勧めできますので、
その場合は有機栽培で農薬が使われていないお茶を飲むとよいですね。

オーガニック赤ちゃん番茶


en-chaでは、コロナの影響もあり
今のところ今年の新茶を入荷するかは分かりませんが、

入荷したらこちらでお知らせしますね!

お茶の味を高める茶器。

こんにちは!日本茶サイト≪en-cha≫ のオーナーでお茶オタクの真弓です。

前回に続いてお茶の食器やお菓子等もリストに加えました。
順々に商品ページも更新していきますのでよかったらチェックしてみてくださいね^^

en-cha 商品情報



さて、この機会にお茶を飲む時間を
さらに楽しく、美味しくしてくれる茶器について書こうと思います。


お茶を今まであまり飲まなかった方は
もしかしたらお茶を淹れる茶器を持っていないかもしれませんね。

最近では簡易的にお茶を飲めるティーバックの性能も高くなってきていますし
最終的にお茶の葉を漉して飲むことができれば、
前に書いたお茶の性能やリラックス効果はありますし個人的には悪くないと思います。

ただ、あなたが毎日お茶を飲む人、
そして特別な美味しいお茶を飲みたい人でしたら、
できるだけそのお茶に合った茶器を使用することをぜひお勧めしたいです。

ティーポット、急須、蓋碗、茶壺といろいろお茶を淹れる食器はありますが、
それぞれ文化もあり、大きさや素材も違います。

例えば英国式に紅茶を入れる際は
大体紅茶の葉を大きめのポットに入れてティーストレーナー(茶漉し)で漉しますが、


日本の急須は茶漉しと一体型となっていて、茶葉を入れてそのまま注ぎ分け、


中国茶、ウーロン茶等大き目の茶葉を扱う茶壺では
茶漉し自体ついていない小さめのものが多いですし、


蓋碗に至っては茶漉しも必要でなく、さらにそのまますすって飲む、または次分けるというスタイルですね。

世界を跨いでいろんな食器を比べてみると、その土地や文化にあった道具でお茶が進化してきたことが分かるんです。


さらに作られている素材ですが、
一般的に、少なくとも日本では陶器と磁器という種類に分けられます。

陶器は釉薬をかけて焼く器で、不透明で吸水性が比較的高く、
器によっては完璧に乾くまで3日かかるものまであります。

日本でも瀬戸、美濃や常滑、信楽などで作られていますが、
特に常滑の朱泥で作られた急須は鉄分を含むため
苦いお茶をまろやかに美味しくすると言われています。
これは中国の宜興の土から判明したことで、ここの土と同じ成分が常滑でも発見されています。

Tokoname Tee-Set


吸水性が高いことから、1つの急須に同じお茶を淹れて使い続けることで、
急須を成長させることもでき、
毎日同じようなお茶を飲む人にはお勧めできる素材です。

それに対して磁器は吸水性がほとんどなく、透明性のあるものとないものがあります。

日本では伊万里や有田、九谷など、主に西日本に生産地が多いです。
ヨーロッパでティーポットとして使用されている物は磁器が多いと思います。

強度が陶器よりも強いので、割れにくいという長所もあり、
又味が器に移りにくいのでいろんなお茶を毎日飲みたい方には便利な素材ですね。



変わり種としてですが、数年前に常滑で絞り出しという急須を購入しました。

この茶器は大きさが小さくさらに茶漉しを通らないので、
玉露など上質なお茶を少量いただく時にお勧めできるそうです。
お湯の温度も低めで淹れるので、取っ手が必要ないのですね。

Shiboridashi mit Kabuse-cha Gokou


いかがでしたか?
あなたもマイポット、マイ急須をよく観察してみてください。

さらによく分かったうえでお茶を淹れれば
愛着心と共に、お茶の風味もきと際立つことでしょう^^


静7132の美味しい淹れ方研究

こんにちは!日本茶サイト≪en-cha≫ のオーナーでお茶オタクの真弓です。

お茶の販売も始まったので、今回はその中の一つ、静7132の持つ特徴について書きます。
このお茶はとても個性的な香りと味わいを持っていて、一口飲むと春の森を散歩しているかのような、そう、桜葉の香りがほんのり漂うのです。

ただ私自身このお茶が持つ桜葉の香りはどのような淹れ方で一番よく感じられるのか、ということがはっきりしませんでした。せっかく飲むのならしっかり香りを楽しみたいですよね。(香料が入っていないので自然な香りです)

ということで、このお茶を同時に3種類の温度、そして蒸らし時間で比べてみました。

※全てのお茶は同じ大きさの日本の急須(さらに言えば常滑急須)で淹れています。
今回使用したのはそれぞれ5gの茶葉です。

①常温水(22℃)を分蒸らし

②50℃のお湯を3分半で蒸らし

③70℃のお湯を3分半で蒸らし

結果
①水色はかなり淡い黄色。香りは少なめ。滋味はマイルドで甘さが際立つ心地よい口当たり。このお茶の特徴である桜葉の香りはしない。

②水色は明るい黄色。さわやかですっきりした香りが際立つ。
滋味は煎茶が持つ特徴を合わせたバランスの取れた味。苦み、旨みが少しあるが心地よいバランス。後味で桜葉の香りがふんわり漂う。

③水食は暗めの黄色。まず一口飲むと旨みが際立ち、その後苦みが後を追ってくる。これだけで上級煎茶の特徴的な味は持っているが、桜葉の香りは特に強く感じなかった。

まとめ
どの淹れ方をしてもそれぞれに美味しさはありましたが、静7132の特徴である桜葉の香りを楽しむ飲み方としては②の50℃3,5分が一番合っていることが分かりました。
個人的には香りを楽しむんだから熱めに淹れるのが一番いいだろうと思っていたのがこの比較で裏切られる形となり驚いています。

淹れ方もまだまだたくさんバリエーションがあるので、試してみるともっと美味しいバランスがあるかもしれませんが、他にもいろいろ試して最終的に私が自分自身で試してみてお勧めしたいと思う淹れ方は、

・一煎目 60-70℃ 蒸らし1-2分
・二煎目 70-80℃ 蒸らし2分
・三煎目 100℃ 蒸らし1分

となりました。

どうですか?
en-chaで扱っているこのお茶は、2019年の清水の品評会で一位となったお茶農家さんのものです^^
もし気になった方はぜひこの淹れ方で春の香り、静7132を楽しんでみてください!