とっておきの和紅茶、届きました!

こんにちは!日本茶サイト≪en-cha≫ のオーナーでお茶オタクの真弓です。

数週間前に愛知県豊橋市にある「ごとう製茶」さんから

4種類の和紅茶が届きました。


日本産の紅茶というとあまり有名ではないかもしれませんが、

ごとう製茶さんは規模はとても小さいながらも

かなりクオリティーの高い紅茶を作っており、さらに無農薬にこだわる

日本の和紅茶好きこそ知る人ぞ知る、有名なお茶農家さんです。


私も2018年の秋に愛知県尾張旭市で行われた紅茶フェスティバルにて

ごとう製茶さんの紅茶に出会い、その場でファンになってしまいました。



生産量がかなり少なく、業者さんも予約して限定で購入しているのだとか。

去年お茶畑まで赴き、お願いして今回少量注文させてもらったのです。

愛知県豊橋市のごとう製茶さん


早速届いた紅茶の試飲を行いました。


写真を見てみて、いかがでしょうか。

加工されたお茶の葉の形がはっきり残っていればいるほど手作業が多い証拠です。

べにふうきの春摘み… 機械摘み(手摘みに近く少量限定で摘採)、機械揉み

べにふうき夏摘み… 手摘み、機械揉み

ブレンドのオータムナル… 機械摘み、機械揉み


どのお茶も和紅茶らしい甘味の強く柔らかい味で美味しかったです。

ただ、飲み比べてみて正直思ったことは、

大事なのは正直いつ摘みか、ということよりも、どのように摘んで、加工されたかということです。

紅茶というと高温で淹れて飲む際の香りがまず一番大きな印象だと思いますが、
手で摘んだだけでこんなに違うのか、というくらい香りの高さが違います。


もちろんその分摘採する量も少なくなってしまうわけですが、
とっておきのための紅茶としては、全く文句のつけようがないクオリティーだと思います。

準備ができ次第、数量限定でこちらのサイトにも載せますので、
紅茶好きさんはぜひチェックしてみてください!!
(直接のお問い合わせも歓迎です😊)

無病息災を願うお茶、大福茶 

こんにちは!日本茶サイト≪en-cha≫ のオーナーでお茶オタクの真弓です。

毎日寒い日が続きますね。

もうお正月も過ぎてしまいましたが、

今回は年末からお正月にかけて日本で飲まれる、「大福茶」について書きたいと思います。


日本で定期的にお茶屋さんへ行かれる方なら年末年始にこの大福茶が売られているのを目にされたことがあるかもしれません。

大福茶とは、この時期に無病息災を願って飲むお茶です。

どのようなお茶かというと、実はいろいろなバリエーションがあり、番茶や玄米茶だったり、黒豆や金箔が入っていたりするものなどさまざまですが、元来の大福茶と呼ばれるものは熱いお湯に昆布と梅干が入ったものだそうです。

私も試しに自分で作って飲んでみました。


大福茶と言ってもお茶の葉は入っていませんので、
何か特別な感じのする味です。



この大福茶の歴史を紐解くと、
時は平安時代、京都で疫病が流行った際、国民から人気のあった浄土教(南無阿弥陀仏で有名な)の先駆者、空也上人が、人々にこの梅干しの入ったお茶をふるまったことで流行りが収まったというところが始まりです。

空也上人、というと聞いたことがない人も多いかもしれませんが、京都の六波羅蜜寺にあるこの像を写真等で見たことがある人は多いのではないでしょうか?

空也上人 Wikipediaより 2021.01.16.


この伝説とも言える徳にあやかる様に時の天皇、村上天皇がこのお茶を毎年お正月に飲むようになり、そこから「王服茶」という名前が生まれたようです。

その後に皇族や貴族の間だけではなく庶民の間でもこの習慣が取り入れられ、名前の漢字がいつの間にか「大福茶」と縁起の良いものに変化していったとのこと。

当時高級品でもあったお茶ですが、この空也上人は惜しみなく人々に振舞ったということで、本当に聖人と呼べる人格者だったことが伺えますね。


今年はもうお正月も過ぎてしまったので遅いと感じるかもしれませんが、

実はこの大福茶、
2月3日の節分でも、新年のお茶、「福茶」として飲まれたりします。

この時は節分で余った黒豆を淹れたりするようですが、
黒豆がなくても、煎茶や玄米茶を普通に淹れて福茶として飲むだけでも良いのです。
要は気持ちの持ちようですから。

ちょっと特別な茶碗等を使って気持ちだけでも福茶、ぜひ楽しんでみてください。

夜咄への参加 in 京都 

明けましておめでとうございます!日本茶サイト≪en-cha≫ のオーナーでお茶オタクの真弓です。

クリスマスも過ぎ、新年が明けましたね!

今年もどうぞen-chaをよろしくお願いします。




さて今回は再び茶の湯の世界のお話です。


茶道では年中季節を大切にしてお茶会などが開かれていますが、

夜が長い冬だからこそ楽しめるお茶会があります。


その名も「夜咄」(よばなし)。


茶道をたしなむ人でもあまり聞いたことがないかもしれません。

私自身も実は長らくあまり存在自体知りませんでした。


というのもこの夜咄、日が短くなる冬限定で行われるのですが、

夜に開催されるのと、特別な趣旨のお茶会なので

なかなか茶道教室でも行われることはなく、簡単に経験し難いものでもあるのです。
(社中によっては毎年されているところもあるかもしれません、あくまで主観です)


ただ、

そのお茶会の存在を知ってしまうと、一度は参加してみたくなるのが道理というもの。

一体どういった趣旨のお茶会なのか?


偶然、京都の高台寺にて誰でも参加が可能な夜咄の茶会イベントが行われていることを知り、2019年1月に大徳寺での利休忌に合わせて京都まで行き、参加してきました。



高台寺では年間を通していろいろなお茶会が催されているようなのですが、
夜咄も人気のお茶会のようです。

分かりやすい動画を見つけました↓
高台寺夜咄のYoutubeビデオ


そう、夜咄の茶会というのは、
真っ暗な茶室の中で、和ろうそくのみを照らしその灯りのみでお茶を点ていただく、というものなのです。


現代では夜に電気を付けて明るく過ごすことが当たり前となっていますが、

こうやって長くて暗い冬の夜を逆手にとって
やさしい和ろうそくの火という日本の伝統の灯りのみで過ごしてみると、
暗すぎて困る、なんてことは全くなく、むしろ日常を忘れて純粋にお茶の世界を楽しめるものだなと感じます。


幻想的で癒される世界観がそこにはありました。

高台寺入口より。
拝観案内。寒くても美しくてつい見入ってしまいます。
軽食の場では、目にも美味しい品々をおかみさんが解説付きで提供してくださいます。

いかがでしたか。
参加している人も、茶道をやっている人ばかりでなく、
ちょっと興味があってきている人もたくさんいたので
機会があれば一度参加してみるのをお勧めします。

私自身ももう一度参加したいくらいです^^


【夜咄一般情報】
場所:京都市高台寺内
期間:毎年1月から3月までの週末金土日、17時から18時の間に参加(約3時間)
参加費:茶会(茶二服菓子付)、高台寺の拝観案内、点心、喫茶付きで7000円
要予約(一日50人までが定員なので締め切ることもある)
懐紙等は貸してもらえるので問題ありませんが、白い靴下を持参するといいと思います。